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花粉症対策まとめ【分子栄養学的栄養アプローチ】

花粉症って本当にしんどいですよね。僕自身も花粉症だったし、年中鼻炎気味だったので辛さはよくわかります。鼻水とくしゃみが止まらないあの苦しさ…。なんとかしたいと思っている人は多いはず。

そこでこの記事では、対症療法ではなく根本から改善することを目的とした分子栄養学的な栄養アプローチについて解説したいと思います。

最初に伝えておきますが、花粉症の原因は一つではありません。何か特定のものを食べたり飲んだりすれば誰もが治るなんていう魔法の栄養素はないんです。改善方法はあくまでも個体差を考慮したアプローチが必要です。

1.花粉症を改善するために避けるべき食品

まつざき

こんにちは!臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラーのまつざき@s_matuzakiです。まずは「何を摂るかよりも何を避けるか」が重要!

まずは「何を摂るかよりも何を避けるか」が重要です。基本的に炎症を誘発しやすい次の4つは花粉症の人は一時的にでも極力排除したほうがいいです。

  1. グルテン・カゼイン食品を避ける
  2. オメガ6系の油を控える
  3. 甘いものの過剰摂取を避ける
  4. 高脂肪食を避ける

甘いものも高脂肪食も内臓脂肪がつきやすいので要注意です。内臓脂肪は炎症を誘発しますので花粉症の症状を強めてしまう可能性があります。

2.花粉症に有効な栄養素

避けるべきものを避けたら次にやるべきことは不足している栄養素を補うこと。特に花粉症対策に重要な栄養素をまとめてみました。

2-1.免疫機能に欠かせないビタミンD

花粉症対策で特に注目を集めている栄養素といったら「ビタミンD」。免疫力を高めたり、アレルギー症状を緩和する作用があることがわかっています。

そもそも花粉症というのは免疫細胞が暴走を起こしたような状態。この暴走を止めてくれるのがビタミンDなんです。ビタミンDをしっかり摂ることで免疫細胞が正常化し、花粉症の症状が改善するパターンはけっこう多いし、そういった報告もよく聞きます。[*3]

ビタミンDに関してはサプリで摂ることをおすすめしますが、血液検査でビタミンD濃度を測ることも重要です。これに関しては後ほど解説しますね。

そして、ビタミンDはマグネシウムとセットで働くことをお忘れなく!ビタミンDを充足させたいときはマグネシウムを不足させないようにご注意ください。

2-2.粘膜の修復に必要な4つの栄養素

鼻も目も口も腸も粘膜で覆われています。この粘膜の状態が悪いと花粉が侵入しやすくなってしまいます。その結果、アレルギー反応や自己免疫反応を引き起こす可能性が高まります。

ですから、花粉症対策には「粘膜の修復」も重要と考えます。特に最近は腸と花粉症との関連が指摘されていて、リーキーガットが話題に上がることも多くなっています。簡単にいうと腸粘膜の細胞同士の結合が緩んでしまった状態。本来は身体に侵入してはいけないものが入り込んでしまい、アレルギー反応を引き起こします。

腸粘膜を修復してリーキーガットを改善しないと花粉症の根本的な改善にはなりません。そこで、粘膜の修復に必要な栄養素次の4つになります。

粘膜の修復の欠かせない4つの栄養素

グルタミン、ビタミンA、亜鉛、ビタミンD

それぞれ細かく解説はしませんが、花粉症の症状に悩んでいる人はこの4つの組み合わせで粘膜の修復を試してみてください。

ここでもビタミンDが出てきましたね。免疫機能においても粘膜修復においてもビタミンDは花粉症対策に欠かせない栄養素ということがわかります。

2-3.腸内環境を整えるプロバイオティクス

腸内環境が悪ければ当然免疫の働きも悪くなります。免疫の働きが悪くなれば花粉に対するアレルギー反応も起こりやすくなります。

腸内細菌はIgA産生を促して免疫システムを成熟させるのに必須です。さらにアレルゲンの侵入も抑制してくれるし、炎症やアレルギー反応の制御に関わる制御性T細胞の誘導にも関与している[*1]ので、花粉症対策と腸内細菌は深く関わっていると考えるべきです。

そこで活用したいのが「プロバイオティクス」。生きた微生物のことで乳酸菌とかビフィズス菌のこと。こういった善玉菌を増やすことで腸内環境を改善して、免疫を正常化していくことが花粉症対策にも重要です。

iHerbではこの辺りのサプリが有名です。これは5種類の乳酸菌と3種類のビフィズス菌が含まれています。

California Gold Nutrition(カリフォルニアゴールドニュートリション), LactoBif(ラクトビフィ)プロバイオティクス、300億CFU、ベジカプセル60粒

食事ではぬか漬けとかキムチ、味噌などを意識して食べることも大事ですが、すでに腸内環境が乱れてしまっている場合にはこういったサプリで大量に摂取したほうがいいかもしれません。食事で摂れる細菌の量はそこまで多くないので。

あとは腸内細菌のエサとなる食物繊維も同時にしっかり摂ることをおすすめします。

2-4.炎症を抑制するオメガ3系の油

順天堂大学の研究グループの報告によると、「魚油や亜麻仁油に豊富に含まれるDHAやEPA、α-リノレン酸といったオメガ3脂肪酸の食事摂取がアレルギー性結膜炎(花粉症)を改善させるメカニズムの解明に成功した[*2]」とのこと。

やはり炎症を抑えてくれるオメガ3脂肪酸は花粉症にも有効というわけです。食事で摂るならサバやサンマなどの青魚に豊富に含まれています。マグロも多く含まれてるけど水銀の影響もあるのであまり頻繁に食べるのはおすすめしません。

あとは亜麻仁油やエゴマ油を活用するのもいいですね。うちでは味噌汁に入れたり、サラダにかけたりして食べてます。あとはスプーンに垂らしてそのまま飲んだりもします。

炎症が強めの人はやはり高容量で摂らないといい影響が出にくいかもしれません。こういったサプリから摂取するのもおすすめです。

Now Foods(ナウフーズ), ウルトラオメガ3、ソフトジェル180粒

2-5.抗酸化ビタミンA、C、E

花粉症対策には「抗酸化対策」も重要で、抗酸化ビタミンと呼ばれているビタミンA、C、Eを不足させないようにすることも大事です。

活性酸素はアレルギー反応を増幅させることがわかっています。現代人はただでさえ酸化ストレスが多いうえに、ストレス過多、タバコ、食品添加物、農薬、化学物質などさまざまな影響を受けて活性酸素過多になっていると考えられます。

ビタミンA、C、Eはどれも抗酸化効果がある栄養素ですが、特にCとEはセットで摂ると効率的で、ビタミンCは抗酸化によって壊れてしまったビタミンEを再生してくれる働きがあります。

2-6.スギ花粉症の軽減作用が期待できるプロポリス

ミツバチが作る天然の抗菌成分「プロポリス」も花粉症対策には有効と言われています。鳥取大学医学部と山田養蜂場の研究グループによると、1日300mgのプロポリスエキスを摂ることで花粉症の症状が有意に改善したとのこと。[*4]

試してみる価値は十分にあるかと思います。iHerbにも売ってます。

California Gold Nutrition(カリフォルニアゴールドニュートリション), ビープロポリス2倍、濃縮エキス、500mg、ベジカプセル240粒

3.血液検査から花粉症対策を考える

3-1.LDLコレステロールの数値が低すぎる人は要注意

血液検査の項目にある「LDL」はコレステロールの数値ですが、ほとんどの人が「低いほうが優秀」だと思い込んでいます。でも実は低いほうが圧倒的に体に悪影響なんです。

コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸の原材料になったり、ビタミンDの前駆体としても必要。コレステロールが低値ということはこれらの機能がうまく働かない可能性があります。

ストレスホルモン「コルチゾール」を作るのもビタミンDの合成するのも不利になるということ。つまり、炎症を抑えられなくなったり、免疫機能が低下する可能性があるので、花粉症の症状も出やすくなると考えていいと思います。

分子栄養学的な理想値の目安は100くらい。130以上あってもいいという先生もいます。ただ、甲状腺機能の影響を受けて数値が変化してしまうこともあるので、正確には専門家に相談するようにしてください。

3-2.25(OH)ビタミンDが低いとアレルギー症状が出やすい

ビタミンDは血液検査の「25(OH)ビタミンD」という項目でチェックすることができます。先ほどのLDLの項目から推測することもできますが、できればしっかりと測ったほうがいいです。

最適値は「40〜70ng/ml」。多すぎても少なすぎても良くないので、サプリで補給する場合は血液検査をやって最適量を探りながら飲むようにしてください。

3-3.CRPや血小板の数値が高い人は炎症体質

体の中の炎症レベルを確認する場合は「CRP」「血小板」「AST、ALT」あたりを見るとわかります。それぞれの理想値は次のとおり。

CRPは分子栄養学では「0.02」よりも大きい場合に炎症があると見ます。

血小板の理想は「20」。せめて25くらいまでにおさまってほしいところ。25を超えてきたら要注意。

AST、ALTは肝臓の指標に使われている項目ですが、分子栄養学的な理想値は両方とも「20」。特にASTよりもALTが大きい場合は炎症がある可能性があります。つまり脂肪肝。当てはまる人は先ほどお話ししたオメガ3を積極的に摂ることをおすすめします。

3-4.尿酸値が低い人は抗酸化力が低下している可能性

尿酸は高いと痛風が心配されますが、実は低くても問題で、抗酸化力が低いサインかもしれません。尿酸は強力な抗酸化物質で、分子栄養学的には「4」は欲しいところ。ここが低い人は抗酸化ビタミンを積極的に摂ることをおすすめします。

【参考文献】

*1.花粉症と治療法【後編】

*2.オメガ3脂肪酸のアレルギー性結膜炎への改善効果を発見

*3.Vitamin D: immunomodulation of asthma, allergic rhinitis, and chronic rhinosinusitis

*4.プロポリスのスギ花粉症軽減作用

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まつざき
臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラー 分子整合栄養医学をメインに興味を持ちながら栄養関連、心理学関連の文献・論文を読みあさっています。Twitterフォロワー3.5万人突破。