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分子栄養学とは?【わかりやすく解説します】

最近注目されることが多くなった分子栄養学。一部ではいまだに「トンデモ」なんて言われたりしてますが…。さすがにもうそんなことを言っていられないくらい医療機関にも普及し始めてるし、多くの患者さんがその恩恵を受けているのも事実です。

分子栄養学とは一体どんなものなのか、どのような効果が期待できるのか、気になっている人は多いと思いますので、今回は分子栄養学についてわかりやすく解説したいと思います。

1.分子栄養学ってなに?

まつざき

こんにちは!臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラーのまつざき@s_matuzakiです。まだ分子栄養学をあまり知らない人も多いと思うので、分子栄養学とは何かを解説します!

分子栄養学とは、「分子整合栄養医学」や「オーソモレキュラー医学」、「栄養療法」などとも呼ばれていて、呼び方は人それぞれですがどれも同じことを指しています。

ノーベル賞を2 回受賞した天才科学者ライナス・ポーリング博士と、精神科医エイブラハム・ホッファーによって1968年にその概念が創出された学問体系です。つい最近出てきたように感じている人も多いですが、実際はもう50年以上経ってるんですよね。

ちなみに、私が勉強した臨床分子栄養医学研究会のテキストには次のように書かれています。

栄養をうまく使って体の細胞、分子の働きをよくしてあげるのが分子栄養学の目的

引用元:分子栄養学実践講座テキスト基礎編

栄養素が細胞や体内の分子レベルでどのように作用して、代謝や生理機能を調整するかを研究する学問で、栄養素が体内でどのように利用されているかを理解すること、そして、細胞や分子の働きを良くしてあげることが目的です。

人間の体は37兆個からできています。そして、その一つ一つの細胞や分子は栄養で構成されている。当然、その栄養が欠損すればうまく機能しなくなり、病気になる。つまり、対症療法の西洋医学に対して、分子栄養学は「栄養面から根本原因にアプローチする療法」というとわかりやすいかもしれません。

ただ、実際には分子栄養学に対しての誤解はまだまだ多く、「エビデンスがまったくないトンデモ医療だ!」などと言われることも少なくありません。でも実際にはすでに3300以上もの医療機関で分子栄養学が導入[*1]されているのが現実で、すばらしい成果が次々と報告されている状況です。

2.一般的な栄養学となにが違うの?

分子栄養学の最大の特徴は「個体差を考慮した栄養療法」です。

従来の栄養学は統計から摂取カロリーや栄養素を決定し、それに基づいて食事から栄養を摂るというものでした。そしてその最大の特徴は「欠乏症にならないための量が基準になっている」ということ。

しかし、実際には体格や生活環境、ストレスなどその時々の体調によって栄養の必要量は何倍も違ってきます。例えば、ビタミンCはその典型例で、厚生労働省が定める食事摂取基準では推奨量が100mgとなっていますが、分子栄養学では1日1,000mg以上勧めることもあれば、ストレス対策には3,000mgとか、風邪の時などは1日10,000mg摂ることも推奨されています。

そして、もう一つ大きな違いは、分子栄養学では血液検査データを元に栄養状態を推測するところです。血液検査データは個体差を判断する目安として最適なんです。日本では多くの人が健康診断で血液検査をするし、保険が適用されれば安く済みますしね。

実はこの「血液検査解析に基づいた個別化栄養療法」は「日本発」なんだそうです。金子雅俊先生という方が開発して広まっていきました。「潜在性鉄欠乏症」や「低血糖症」も金子先生が発見したそうです[*2]。まさに「日本オーソモレキュラー医学会の父」と言える人ですね。

潜在性鉄欠乏症や低血糖症は一般的な医学の現場では指摘されることはほとんどありません。まさに西洋医学が最も苦手とする「未病段階の不定愁訴」に当たるのですが、分子栄養学はこれらを発見して分子レベルで改善していくことが得意なんです。イメージとしてはこんな感じ。

分子栄養学とは?わかりやすく

分子栄養学は決して医学を否定するものではなく、得意分野が違うんです。それぞれが役割分担をして協力していくことができれば、より多くの人の健康に寄与できるはずです。

3.分子栄養学の普及に大きく貢献した三石巌さんの存在

三石巌(みついし いわお)さんは、「日本のライナス・ポーリング」とも呼ばれている人で、分子栄養学の権威です。分子栄養学を勉強している人でこの人を知らない人はいないってくらい有名だし、私も著書を何冊か購入して読みました。

残念ながら1997年に95歳でこの世を去ってしまいましたが、亡くなる95歳までスキーを楽しんでいたというのは有名な話。

引用元:三石巌の歴史 | 分子栄養学のススメ

ライナス・ポーリング博士とも交流があったそうで、まさにオーソモレキュラーを日本に持ってきた第一人者といってもいいかもしれません。

ちなみに、三石巌さんは糖尿病を患っていたそうです。そして、自分自身が糖尿病だからこそ自らを実験台にしながら分子栄養学に傾倒していき、その後の発展へと導いたわけです。

三石理論は今でも受け継がれていて多くの人を健康へと導いています。三石理論について詳しく知りたい方はこちらのページを参考にしてください。

4.まとめ

分子栄養学とは何か?を一言でまとめると、「栄養をうまく使って体の細胞、分子の働きをよくしてあげるのが分子栄養学の目的」という一文がしっくりきてわかりやすいかなと思います。

そしてなんといっても、「血液検査解析に基づいた個別化栄養療法」が大きな特徴の一つで、今の自分に足りない栄養素を血液検査データから推測することができるのは本当におもしろいです。

実際にカウンセリングでは、「この栄養素が足りない人は〇〇のような症状が出ることが多いんですよ」という話をすると「当てはまってる!」と驚かれることが多いです。「占い師みたい…」と言われることもあります。

自分の栄養状態をしっかり把握したいという人はぜひ個別カウンセリングを検討してみてください。

【参考文献】

*1.代表理事挨拶 – オーソモレキュラー栄養医学研究所

*2.「日本のライナス・ポーリング」もまた医者ではなかった!?金子 雅俊博士の業績

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まつざき
臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラー 分子整合栄養医学をメインに興味を持ちながら栄養関連、心理学関連の文献・論文を読みあさっています。Twitterフォロワー3.5万人突破。