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なぜアルコールは低血糖を誘発するのか?【お酒を飲む時の対策教えます】

低血糖の人ができるだけ避けるべきものの代表格が「アルコール」。アルコール自体が低血糖を誘発しちゃうし、低血糖が起きるとアルコールを欲してしまう。負の連鎖に陥るんです。それでもどうしても飲む機会に出くわしてしまった時に、少しでも影響を最小限に食い止めるにはどうすればいいのか。

この記事では、アルコールが低血糖を引き起こす3つの主な原因と、お酒を飲む時の事前にできる対策についてできるだけ一般向けにわかりやすく解説します。

1.なぜアルコールは低血糖を引き起こしやすいのか?

まつざき

こんにちは!臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラーのまつざき@s_matuzakiです。まずはアルコールが低血糖を引き起こす原因についてお話しします!

お酒を飲みながらリブレで血糖値を測ってみるとよくわかりますが、けっこういろいろ食べても血糖値が上がらないことが多いんですよ。理由は主に次の3つ。

1-1.アルコールにより糖新生が抑制される

アルコールが低血糖を引き起こす原因の一つが「糖新生を抑制してしまう」から。糖新生というのは簡単にいうと「糖質以外のものからグルコース(ブドウ糖)を作り出すこと」なのですが、これが抑制されてしまうと血糖値の維持が困難になります。

アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解され、酢酸になる。その過程でNADがNADHに還元される。アルコール摂取によりNADHが蓄積されると糖新生やTCA回路が抑制されるとのこと。

流れはこんな感じですが、難しい話は置いといて、アルコールを摂取すると糖新生が抑制されるということだけでも知っておいてください。

1-2.アルコールがインスリン抵抗性を高める

さらにアルコールはインスリン抵抗性も高めてしまう。アルコールの過剰摂取で視床下部に炎症が起きる→末梢組織のインスリン受容体へのシグナル送信を阻害→インスリン抵抗性が高まるという流れ。

インスリン抵抗性が高まれば当然血糖コントロールは悪化しますから低血糖を引き起こしやすくなるわけです。インスリン抵抗性が高まる上に糖新生も抑制されるとなれば、血糖値の維持が困難になるのは当然ですね。この2つだけでも低血糖の人はアルコールを極力控えるべきということがわかります。

1-3.炭水化物を食べずにお酒を飲む人が多い

お酒好きの人ってお酒飲む時に基本的に炭水化物を食べないことが多いですよね。炭水化物を食べずに血糖値を下げる働きのあるお酒ばっかりガブガブ飲んでればそりゃあ低血糖を起こして当然です。

そもそも有毒な「アルコール代謝」は「糖代謝」よりも優先されます。だから炭水化物を食べていたとしても糖代謝は後回しにされますから血糖値は上がりにくくなるんです。食べてても血糖値が上がりにくいんですから、お酒の席に備えて何も食べずに飲み始めるなんていうのは最悪なんですよ。

まつざき

アルコールが低血糖を引き起こす原因はこの3つ!

  1. アルコールにより糖新生が抑制される
  2. アルコールがインスリン抵抗性を高める
  3. 炭水化物を食べずに飲む人が多い

普段から低血糖体質の人は要注意!

2.夕方から夜にかけてお酒が飲みたくなる理由

上で説明したとおり、アルコールの摂取自体が低血糖の原因になり得るのは間違いないのですが、その逆も言えちゃうんです。つまり、低血糖があるからお酒を欲してしまうというパターン。

卵が先か、鶏が先かみたいな話になっちゃいますが、低血糖を起こしやすい人はアルコールでごまかそうとする人も多いんです。アルコールは摂取量が多くなってくると過度に交感神経を刺激します。交感神経が刺激されるから低血糖でエネルギー不足の状態でもなんとかがんばれちゃう。まさにドーピング。

夕方の15時とか16時あたりは日中で一番血糖値が落ちやすい時間帯です。主婦の人たちは夕飯の準備などを始める時間かと思いますが、この時間にお酒を飲みながらキッチンに立っているという人はまさにこれなんです。キッチンドリンカーってやつです。

アルコールで低血糖をごまかす。そのアルコールの影響でさらに血糖コントロールが悪くなって低血糖を起こす。ごまかすためにさらにお酒やお菓子に走って交感神経を興奮させる。負の連鎖が止まらなくなる。その後疲れがどっと押し寄せてくる。

こういう人の場合は、お酒をやめたいならまず低血糖をやめないといけないということになります。

3.アルコールによる低血糖を最小限に抑える対策法

3-1.お酒を飲むときこそ1日3食+補食をしっかり食べる

お酒を飲むときこそ食事を抜かないほうがいいです。食事を抜いた状態はただでさえ血糖値の乱高下が起きやすい状態ですから、そこにアルコールが入れば血糖値が乱れて当然です。3食しっかり食べて血糖値を維持した状態でお酒の席にむかえば、反動で飲み過ぎることも少なくなるはず。

飲酒前の血糖値をいかに安定させるかを意識して、夕方あたりにもしっかり補食を摂るようにするのもいいと思います。補食の定番といったらやっぱり干し芋。アマゾンだと1キロ単位でけっこうお買い得なものもあります。家族で食べる人はこういうのがおすすめ。

3-2.空きっ腹で飲まない!低脂肪で高タンパク質の食品を食べる!

空きっ腹で飲まないようにすることも重要です。お酒を飲むときは必ずおつまみを一緒に食べる。おすすめは低脂肪で高タンパクな豆腐とか枝豆、イワシなど。

また、お酒によって失われる栄養素として「亜鉛・ナイアシン・ビタミンC」が有名なので、それを補うためにも柑橘類や動物性たんぱく質をおつまみにするのもおすすです。

3-3.飲酒による夜間低血糖対策はやっぱりハチミツがおすすめ!

前回の記事でもハチミツの活用法についてお話ししましたが、アルコールによる低血糖対策でもやっぱりハチミツは有効だと思います。特にマヌカハニーなら抗菌作用や整腸作用なんかも期待できるので、サプリがわりに摂取してもいいんじゃないかなと思います。

飲んだあとのラーメンは激しい血糖値の乱高下を起こす可能性があるので、ラーメンの代わりにハチミツを舐めて細胞にできるだけ早くエネルギーを届けてあげるのがおすすめです。

もちろん低血糖体質の人はお酒の飲まないのが一番ですが、どうしてもというときはこういった対策を意識しておくだけでも全然違うと思います。

〆にラーメンを食べたくなる理由

〆のラーメンってめちゃくちゃおいしいですよね!僕も過去に何度も経験してますが本当においしく感じる!これも仕組みがわかると当然なんです。

まず、アルコールの利尿作用によって塩分が不足するからしょっぱいものが欲しくなる。水分も欲しい。さらに低血糖状態だから手っ取り早く血糖値を上げるために炭水化物を欲する。「しょっぱくて、水分豊富で、炭水化物も取れるもの、そして夜中にもやってるお店」っていったらもうラーメン屋しかない!そりゃあ細胞レベルで欲するわけです。

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まつざき
臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラー 分子整合栄養医学をメインに興味を持ちながら栄養関連、心理学関連の文献・論文を読みあさっています。Twitterフォロワー3.5万人突破。