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MCTオイルが夜間低血糖に効果的な4つの理由【選び方と飲み方も解説します】

夜間低血糖の症状で悩んでいる人におすすめしたいのが「MCTオイル」。栄養カウンセリングで指導した人にも試してもらうことが多いのですが、効果を実感する人が多いです。

この記事では、なぜ夜間低血糖にMCTオイルが効果的なのかを説明して、MCTオイルの選び方や飲み方も合わせて解説しますので、これを参考に取り入れていただけたら嬉しいです。

1.MCTオイルとは?

まつざき

こんにちは!臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラーのまつざき@s_matuzakiです。MCTオイルは僕も重宝してます!詳しく解説していきますね!

身近な知人にMCTオイルの話をすると「え?なにそれ?」という反応をする人がまだまだ多いですが、分子栄養学の分野ではもうみんな当たり前のように使っている油です。裏技レベルで体に良い油と言ってもいいくらい優れた機能を持っています。

基本的にはココナッツとかパームに含まれている中鎖脂肪酸のことをMCTオイルといいます。Medium Chain Triglyceridesの略で頭文字をとって「MCT」です。

「あーココナッツオイルのこと?」と思った人も多いかもしれませんが厳密にはちょっと違って、ココナッツオイルに含まれている脂肪酸のうち、カプリル酸(C8)とカプリン酸(C10)だけを抽出したものをMCTオイルと呼んでいます。

このカプリル酸とカプリン酸にはさまざまな効果が報告されていて、ダイエットやアスリートのエネルギー補給などに活用されている人気のオイルなんです。

2.夜間低血糖対策にMCTオイルをおすすめする理由

2-1.グリコーゲンの消耗を抑えてくれる

夜間低血糖対策のポイントの一つが「グリコーゲンの無駄遣いをなくすこと」です。夜間低血糖については「夜間低血糖対策は「はちみつ」がカギ?寝る前の補食の方法も解説します!」で詳しく解説したのでこちらも目を通してみてください。

寝ている間の血糖値維持には肝臓に溜められたグリコーゲンが使われるのですが、夜間低血糖を起こす人はたいてい日中にグリコーゲンを無駄遣いしていることが多いです。日中にグリコーゲンを消耗しているから夜間の血糖値維持に使うグリコーゲンが枯渇しているパターン。

例えば、日中に甘いものをバンバン食べて血糖値の乱高下を頻発しているような人はアドレナリンが出まくっていることが多いです。このアドレナリンはグリコーゲンを分解して消耗してしまうのでできるだけ出さないようにしたい。

そこで、MCTオイルを日中から適量摂取することでグリコーゲンの消耗を抑えることができる[*1]んです。糖質並みのスピードでエネルギー源になってくれることで低血糖を防いでくれるし、アドレナリン分泌も減らすことができるのでグリコーゲンの分解を極力抑えることができます。

すると、就寝時までグリコーゲンを温存しておくことができるので夜間低血糖を起こしにくくなるというわけです。

2-2.インスリン抵抗性を改善

インスリン抵抗性があると食後高血糖を起こしやすくなります。この食後高血糖がその後の低血糖を引き起こしてしまうので、ここでまたアドレナリンが分泌されてグリコーゲンを消耗してしまいます。

なので、夜間低血糖対策にはインスリン抵抗性の改善も重要なのですが、MCTオイルはこのインスリン抵抗性を改善する[*2]という報告が多くあるのでぜひ活用してほしいところ。

インスリン抵抗性がある人は血糖値が上がりやすいので太りやすい人が多いです。MCTオイルを継続することで健康的にダイエットできる人が多いのはこのためです。

2-3.炎症を抑制する効果

炎症も低血糖に深く関連しています。慢性炎症があると炎症を抑えるために副腎からコルチゾールが分泌され続けます。すると、副腎の機能が徐々に低下してコルチゾール分泌が少なくなってしまう。血糖値の維持も難しくなるわけです。

MCTオイルは炎症誘発性サイトカインを低下させて、抗炎症性サイトカインを増加[*3]させます。つまり、炎症の改善にはとても効果的なわけです。

2-4.血糖値を上げることなく糖質並みにエネルギー源になる

普通の油は糖質と一緒に摂取するとエネルギー効率は低下します。糖質のほうが優先的にエネルギーとして使われるからです。なので、糖質と脂質を同時に摂ると脂質が余って脂肪として蓄えられるから太るんですよね。

しかし、MCTオイルがすごいのは、糖質と一緒に摂取しても効率的にエネルギーとして使われる[*4]んです。下のグラフがその様子。「C8」というのがMCTオイルのことなのですが、「C8+糖質」の場合でも比較的高いレベルでエネルギーになっています。

ココナッツオイルの場合は糖質と一緒に摂ると一気にエネルギー効率が下がってしまうのがわかります。「C8+糖質」はココナッツオイル単体よりもエネルギーに変わってるのがすごいですよね。

もちろん糖質を制限したほうがベターなのは間違いありませんが、糖質を摂りながらでもOKというのはありがたい存在です。特に副腎疲労の人などはたんぱく質や脂質からエネルギーを作る代謝がうまくいかないことが多いので、いきなり糖質をカットするのはなかなか難しいんですよね。

夜間低血糖にMCTオイルをおすすめする4つの理由
  1. グリコーゲンの消耗を抑えてくれる!
  2. インスリン抵抗性を改善してくれる!
  3. 炎症を抑制してくれる!
  4. 血糖値を上げることなく糖質並みにエネルギーに変換される!

3.MCTオイルの選び方

3-1.ココナッツ由来100%のものを選ぼう

コストを下げるためにパーム油などを原料に使っている場合があります。パーム油の問題に関してはまた別記事で書きたいと思いますが、個人的にはできるだけ避けたい油と考えています。

なので、MCTオイルを選ぶ際は必ず「ココナッツ由来100%」というような表記がされているものを選ぶといいでしょう。うちはAmazonで購入するときはだいたいこれです↓

iHerbだとこういったオーガニックのものも比較的手頃な値段で購入することができます。

Nature’s Way, オーガニック中鎖脂肪酸トリグリセリドオイル、480ml(16液量オンス)

3-2.酸化対策のために遮光ビンのものがベター

MCTオイルは紫外線に弱いです。なるべく光に当たらないようにしたいのでできるだけ遮光ビンの商品を選ぶことをおすすめします。上で紹介した商品はどちらも遮光ビンタイプなので安心です。

3-3.液体タイプが合わない人はパウダーがおすすめ

人によってはMCTオイルが体に合わない人もいます。どうしてもお腹を下してしまうとか胃がもたれるという声もたまに聞きますが、パウダータイプに変えてもらうと問題なく飲める人も多いです。こちらがパウダータイプ↓

Sports Research, プレバイオティクス繊維配合中鎖トリグリセリドオイルパウダー、無香料、247.5g(8.73オンス)

3-4.「MCT C8オイル」とどっちがいいの?

MCTオイルには種類があって、「MCT C8オイル」というものも売られています。これは中鎖脂肪酸の中でもカプリル酸(C8)のみを抽出したもので、C8+C10のMCTオイルよりもすばやくエネルギー源になってくれるという特徴があります。こんな商品です↓

Sports Research, オーガニック中鎖脂肪酸トリグリセリドC8オイル、無香料、473ml(16液量オンス)

ちなみにカプリン酸(C10)は抗菌や抗がん効果が期待できるので、その辺りも含めて飲みたいという人は普通のC8+C10のMCTオイルを選べばいいし、エネルギー源と脂肪燃焼の効果にフォーカスしたい場合は「MCT C8オイル」を選ぶといいでしょう。

夜間低血糖対策で飲むのであれば、副腎疲労やカンジダなどの影響を受けている人も多いと思いますので、抗菌効果が期待できる普通のMCTオイルでいいかなと思います。

3-5.夜間低血糖対策にはココナッツオイル+MCTオイルもよさそう

僕はまだ試したことがないのですが、MCTオイルの情報をいろいろ見ていたら次の記事に行き着いて、ココナッツオイル+MCTオイルの選択肢も捨てがたいなと思っています。

この記事によると、ココナッツオイルを摂った場合の血中ケトン体濃度がピークを迎えるのは3時間前後なのに対して、MCTオイルは1時間半から2時間でピークに達するとのこと。ラウリン酸(C12)によって消化吸収がゆっくりになって長時間エネルギー源として働いてくれるそうです。

引用元:「MCT(中鎖脂肪酸)」と「ケトン体」知って広がる!ココナッツ豆知識

日中のエネルギー補給が目的ならすばやくエネルギー源に変わってくれるMCTオイルは優れているのですが、夜間は睡眠中に補給できないことを考えるとピークをうしろにずらして長時間ケトン体レベルを保てたほうが夜間低血糖対策には効果的かもしれません。

なので、こういったココナッツオイルとMCTオイルが両方入っているものも試してみる価値はあると思います。

4.MCTオイルを摂るときの注意点

4-1.加熱はNG!

MCTオイルは揚げ物や炒め物に使う油ではないので十分注意してください。熱を加えると煙が出たり泡立ちが起こって危険です。MCTオイルは140℃くらいで煙が立ち始めるといわれています。

例えば、味噌汁に入れたり、サラダにかけて食べるのもいいし、コーヒーに入れて飲んでる人も多いです。僕はプロテインに入れてガシャガシャ振ってそのまま飲んじゃいます。

4-2.摂る量は徐々に増やすこと!

MCTオイルは最終的には1日15〜80gくらい摂れるようになるのがおすすめですが、必ず少しずつ増やすようにすること!一気に飲むと胃腸がやられます。慣れてない人が一気に飲むと胸焼けやら下痢やらで1日ぐったりになりますので十分気をつけてください。

最初は1回3gからスタートして、朝昼晩と3gずつ、1日9gを摂ってみる。これを1週間続けて大丈夫そうなら次は朝昼晩と5gずつ、1日15g摂ってみる。この量でキープして摂っていくのも良いですが、さらにエネルギーレベルを高めたい人は1回20gまで徐々に増やしてみるのもありです。

4-3.空きっ腹に入れない!

空きっ腹に大量のMCTオイルを入れると胸焼けを起こすことがあります。できるだけ食後、もしくは食事と一緒に摂ることをおすすめします。

まつざき

MCTオイルを摂るときは次の3つに注意!

  1. 加熱しない!
  2. 摂る量は徐々に増やす!
  3. 空きっ腹に入れない!

【参考文献】

*1.高脂肪食が失速防止に効く

*2.Medium-chain triglyceride ameliorates insulin resistance and inflammation in high fat diet-induced obese mice

*3.Medium Chain Triglyceride (MCT) Oil Affects the Immunophenotype via Reprogramming of Mitochondrial Respiration in Murine Macrophages

*4.Ketosis After Intake of Coconut Oil and Caprylic Acid—With and Without Glucose: A Cross-Over Study in Healthy Older Adults

2件のコメント

はじめてコメントをさせていただきます。
ブログを拝読して、
にがりやはちみつ等を取り入れ始めたところです。

MCTオイルについて、
よろしければ教えて頂けましたら幸せです。

脂質の摂取量に余裕がある時に摂りたいと考えているのですが、
(現在は、1週間あたり(体重×7)gを基準値にしています)
そんなに大量に消費することもなさそうです。

先生は開封後どのくらいを目安に消費していらっしゃいますでしょうか。

コメントありがとうございます!
僕は炭水化物もそれなりに摂取しているので、MCTは1日20〜30グラムです‍♂️

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まつざき
臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラー 分子整合栄養医学をメインに興味を持ちながら栄養関連、心理学関連の文献・論文を読みあさっています。Twitterフォロワー3.5万人突破。