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甘酒が夜間低血糖の対策に効果的というのは本当?【分子栄養学的視点で解説】

「飲む点滴」と言われるほど健康効果が高いとされる甘酒。夜間低血糖対策に甘酒を活用している人も増えているようですが、実は甘酒を飲まないほうがいい人もいるんです。むしろ、腸内環境を悪化させてしまうなんてことも…。その辺りを分子栄養学的な視点から詳しくお話ししたいとも思います。

夜間低血糖についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、まだ読んでいない方は先にどうぞ。

1.甘酒が夜間低血糖に効果的な理由

まつざき

こんにちは!臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラーのまつざき@s_matuzakiです。甘酒がなんで夜間低血糖対策に効果的と考えられているかを解説するよ!

僕自身はあんまり甘酒を飲む機会がないのですが、元旦に近所の神社で配られる甘酒を飲むのが毎年楽しみで、午前0時を過ぎてすぐに甘酒を貰いに行くのが毎年のMy行事です。寒い真夜中に、焚き火にあたりながら甘酒を飲むとなんだか落ち着くんですよね。

甘酒が夜間低血糖に効果的だと考えられている主な理由は次の3つです。

  1. 内臓に負担をかけずに消化吸収できる
  2. アミノ酸も同時に摂れる
  3. 血糖値が急上昇しにくい

それぞれ簡単に解説していきましょう!

1-1.内臓に負担をかけずに消化吸収できる

甘酒

甘酒はお米よりも消化吸収しやすいというのはなんとなく想像できますよね。甘酒は麹菌の酵素によってでんぷんがすでにブドウ糖に分解されている状態なので、基本的には内臓に負担をかけずに糖質補給ができるというのがポイント。

夜間低血糖対策となると寝る直前に摂取することになりますから、極力消化に負担がかかるものは入れたくないわけです。当然、睡眠の質にも影響が出ちゃいますからね。甘酒のように消化の負担が少ない糖質は夜間低血糖対策におすすめというわけです。

1-2.アミノ酸も同時に摂れる

さらに、甘酒が優れている点は「たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸すべてを含んでいる」というところ。これが低血糖を起こしやすい人に最適なんです。

というのも、低血糖を頻繁に起こしている人は交感神経優位になりやすく、胃腸の働きが低下している人が多い。その結果、たんぱく質の消化吸収がうまくいっていない人がすごく多いんです。

こういう人はプロテインのように高容量のたんぱく質を一気に入れても逆に体調が悪くなることが多いので、アミノ酸という形で摂取するのがおすすめ。アミノ酸ならたんぱく質を分解した原材料ですから、消化吸収の負担がほとんどない。

甘酒に含まれるアミノ酸量はそこまで多いわけではありませんが、糖質と同時にアミノ酸も取れるというのは夜間低血糖を起こしやすい人にとっては大きなメリットかなと思います。

1-3.甘酒は血糖値が急上昇しにくい

リブレで血糖値を測っている画像

甘酒は血糖値の上昇が比較的緩やかとされています。そして、どうも「酒粕甘酒」よりも「麹甘酒」の方がさらに効果が期待できそう。甘酒の種類については後述しますね。

八海醸造株式会社、新潟大学大学院などの研究によると、麹が含まれているものと含まれていないものでこんなに違いが出た[*2]そうです。

ということで、夜間低血糖対策で飲むなら血糖値を極力上げ過ぎないようにしたいので、「麹甘酒」がおすすめということになります。

ただ、麹甘酒なら圧倒的に血糖値が低いかというとそういうわけでもなさそうです。他の研究では、ブドウ糖液と比較してそこまで大差なかった[*1]という報告もあるので、麹甘酒だからといって飲み過ぎには十分注意しなければいけません。

血糖コントロールは個体差が大きく出るところなので、できればリブレなどで血糖値を測りながら自分に合った量を探すことをおすすめします。

2.甘酒を飲まない方がいい人の特徴

どんな食べ物や飲み物もそうですが、体に合わない人は当然います。甘酒も例外ではなく、飲まないほうがいい人もいて、特に気をつけて欲しいのが「腸にカンジダが増殖している人」です。

酵母を多く含む食品は腸カンジダを悪化させる可能性があるので、極力避けておいたほうが無難です。あなたが酵母に対して過敏に反応するかどうかは、10日間ほど酵母を含む食品を避けてみて、その後にカビのチーズなどを食べたときに症状が出るかを確認するとわかります。まぁでも、これをやらなくてもとりあえず避けておいて損はないです。せめてカンジダ除菌が完了するまでは甘酒は積極的に飲まないほうがいいかもしれません。

そもそも夜間低血糖がある人は腸カンジダ症の人が多いです。詳細はまた別記事で書きますが、この二つはけっこう密接に関係しています。

なので、もし甘酒を夜間低血糖対策に活用するなら、カンジダ対策をやって除菌が完了してから適度に楽しむくらいがちょうどいいかもしれません。カンジダ対策についてはめちゃくちゃ長くなっちゃうのでまた別記事で書きます。

3.甘酒の種類と選び方

3-1.米麹で作られた甘酒がおすすめ

甘酒には米麹と酒粕の2種類があるのですが、血糖値への影響を考えると米麹のほうが優れているようです。なので、夜間低血糖対策として飲むなら米麹の甘酒を選ぶようにしましょう。こういうのですね↓

3-2.砂糖や人工甘味料が使われていないものを選ぼう

あとは原材料をしっかりチェックすること!砂糖や人工甘味料が含まれてる甘酒も売られているので要注意です。

夜間低血糖対策なのに、砂糖たっぷりの甘ーい甘酒を飲んでしまったら、余計に血糖値の乱高下を起こしてしまうので、砂糖とか人工甘味料が入っていないものを選ぶようにして下さいね。

ちなみに、上で紹介した甘酒なら砂糖不使用で、原材料も米と米麹のみ。こういうシンプルなのが一番ですね!

【参考文献】

*1.甘酒が血糖値と血中インスリン値に及ぼす影響

*2.麴甘酒には食後血糖値及びインスリン量を上昇抑制する成分が含まれることを第71回日本生物工学会大会にて発表しました

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まつざき
臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラー 分子整合栄養医学をメインに興味を持ちながら栄養関連、心理学関連の文献・論文を読みあさっています。Twitterフォロワー3.5万人突破。