>>栄養カウンセリングの詳細・お申し込みはこちら<<

痩せているのに中性脂肪値が高いのはなぜか?

血液検査で「中性脂肪」の数値を気にしている人は多いですが、意外と痩せている人でも中性脂肪値が高いパターンが多くて、「太ってないのに中性脂肪値が高いのはなんでですか?」というご質問をよくいただきますので、この記事にまとめておきたいと思います。

1.「高中性脂肪=肥満」というわけではない

まつざき

こんにちは!臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラーのまつざき@s_matuzakiです。今日はよくご質問をいただく「中性脂肪」についてお話ししますよ!

中性脂肪は肥満の人が高くなるイメージが強いですが、全然そんなことないんです。痩せ型なのに中性脂肪値が高い人は意外といっぱいいるんです。

これは体質的な要因が大きいのかもしれません。例えば、血中に中性脂肪を溜め込みやすい体質だったり、肝臓に溜め込みやすかったり、内臓脂肪として溜め込んでいる人もいます。

  • 血中に中性脂肪を溜め込みやすい
  • 内臓脂肪を溜め込みやすい
  • 肝臓に中性脂肪を溜め込みやすい

こういう人は皮下脂肪は少ないので、見た目は太ってないけど中性脂肪をたくさん溜め込んでいることがあるわけです。

脂肪細胞というのは、本来は脂肪を溜め込むことが仕事ですから皮下脂肪もある程度は必要なのですが、脂肪細胞が正常に働いてくれなくて皮下脂肪が貯められないという人もいるわけです。

こういった体質以外にも中性脂肪値が高くなってしまう原因がいくつかあるので解説しておきます。

2.痩せてるのに中性脂肪値が高い人の特徴

2-1.脂肪肝

一般的に「中性脂肪値が高くなることによって脂肪肝になる」といわれていますが、その逆も言えるようです。脂肪肝になることで中性脂肪値が上がってしまうというパターン。

脂肪肝になれば肝臓に炎症を引き起こすし、結果的に肝機能が低下して中性脂肪の代謝がうまくいかずに血液中の中性脂肪値が増加するという流れ。

血液検査データを見ると脂肪肝かどうかの推測もできますが、それについては別記事で詳しく解説したいと思います。

2-2.甲状腺機能低下

高中性脂肪は甲状腺機能低下とも関連していることがあって、脂質代謝がうまくいっていないことによって中性脂肪値が上がっている可能性もあります。

潜在性の甲状腺機能低下の場合は症状もないし、血液検査をしても引っかかることもないので見逃されがちですが、中性脂肪値が上がっていたら注意注意したほうがいいかもしれません。

2-3.インスリン抵抗性

インスリン抵抗性とは、インスリンの働きが低下して血糖値を正常範囲に保つことができなくなる状態。つまり、血糖値が乱高下しやすくなるので高血糖や高インスリン血症が起きやすくなって中性脂肪が上がることがあります。

2-4.閉経

閉経後の女性も中性脂肪が上昇しやすくなります[*2]。50歳以上の女性で中性脂肪値が上がってきたという人はこれが原因かもしれません。

閉経すると女性ホルモンのエストロゲンが減少します。エストロゲンは中性脂肪を減らす効果があるのですが、閉経によってエストロゲンが減ると中性脂肪を減らすことができなくなるから中性脂肪値が上がりやすいというわけです。

エストロゲン低下→脂質代謝低下→中性脂肪が蓄積という流れです。

2-5.食後10〜12時間空けずに採血

食事してすぐ採血すると中性脂肪値が爆上がりしてることが多いです。血中の中性脂肪値は食事の影響をもろに受けるので、最低でも食後8時間以上、できれば10〜12時間は空けてから採血するようにしましょう。特にアルコールを飲んでいると戻るまでに時間がかかるようなので要注意です。

3.まとめ

一般的には血液検査の結果が150mg/dl以上になると「高トリグリセリド血症」といわれ、メタボリックシンドロームの診断基準になります。[*1]

ただ、150mg/dlを超えたからといってすぐに治療が必要というわけではなく、多くの場合は300mg/dlくらいまでは「要観察」となることが多いようです。つまり、300mg/dlを超えている人は早めに医療機関で相談することをおすすめします。

あと、中性脂肪は低いことも体調不良の原因になりますので、その辺りは別記事で解説したいと思います。

まとめると、

  • 脂肪肝
  • 甲状腺機能低下
  • インスリン抵抗性
  • 閉経
  • 食後、時間を空けずに採血

などで中性脂肪値は高くなることがあるということになります。

【参考文献】

*1.中性脂肪 / トリグリセリド | e-ヘルスネット(厚生労働省)

*2.Age-and menopause-related differences in subcutaneous adipose tissue estrogen receptor mRNA expression

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
まつざき
臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラー 分子整合栄養医学をメインに興味を持ちながら栄養関連、心理学関連の文献・論文を読みあさっています。Twitterフォロワー3.5万人突破。